お客様の声「インターネットイニシアティブ(IIJ)様」
<お客様「株式会社インターネットイニシアティブ」について(公開情報より引用)>
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ) は、1992年に設立され、1994年に国内初の本格的なインターネット接続サービスを開始しました。現在、IIJグループは約14,000社の国内外企業に対し、インターネット接続、クラウド、セキュリティに加え、IoTや動画配信、さらにシステム構築や運用アウトソーシングなど総合的なネットワーク・ソリューションを提供しています。また個人向け通信サービス「IIJmio」を展開しています。
公式URL:
https://www.iij.ad.jp/
<プロジェクト背景>
インターネットイニシアティブ(以後IIJ)社は、2010年にFXプラットフォーム「IIJ
Raptorサービス」(注)をリリース。高い性能と安定性を兼ね備えたシステムとして評価され、現在は十数社の金融サービス基盤として採用されている。リリースされて間もない2013年に同アプリケーションサービスの証券市場への拡充の第一歩として、証券向けの取引チャネルを開発するプロジェクトが立ち上がった。そこで、証券システムのノウハウはもちろん、要件定義やプロジェクトマネジメントなどトータルな支援を行うことができる企業として、プライム・ブレインズに委託。プライム・ブレインズはどの様にプロジェクトを遂行したか、またその後、10年超に亘り複数のプロジェクトで協業を行っている理由について、依頼元であるIIJ社にお話を伺いました。
株式会社インターネットイニシアティブ Raptor事業推進本部 副本部長
●古藤 裕様
株式会社インターネットイニシアティブ Raptor事業推進部 課長代行
●遠藤 康平様
株式会社プライム・ブレインズ 執行役員
●伊賀 良太郎
――リソース不足を補うことのできるビジネスパートナーとして
――試行錯誤の毎日、朝から夜までトライアンドエラーの連続
●古藤様
苦戦した点は多岐にわたりますが、中でも忘れられないのが、テスト工程も終盤に差し掛かっている時期に、サイジング(ハードウエアの見積もり)における考慮不足による性能不足が発覚したことです。お客様のもとに一緒に謝罪に伺ったところ、プロジェクトも終盤だったことから、「本当にリリースできるのか!?」とお叱りを受けましたね。
●伊賀
お客様も、次世代の証券オンライントレーディングチャネルとして相当の夢をお持ちだったと記憶しています。
●古藤様
常に要望リストが100件以上溜まっている状況でしたね(笑)。いかにして要望を消化しながらリリースにこぎ着けるかが課題でした。日々、朝会で行われる当日の作業予定の確認に始まり、夕会までトライアンドエラーを繰り返す日々が続きましたが、プライム・ブレインズさんにはその中で常に主体的に活動していただきました。
――IIJが目指す企業像に足並みをそろえてくれる心強い存在
●伊賀
今振り返っても、紆余曲折のあるプロジェクトでしたが、御社のお役に立てましたでしょうか。
●遠藤様
おそらく御社以外の会社に依頼したら、ここまでやってもらえなかったと思います。一番有難かったのはシステムの開発の役割だけでなく、トータルで見ていただけた点です。証券の知見やシステム構築全般の技術力やプロジェクトマネジメント力はもちろん、保守・運用の視点まで全面的に対応していただけた点に安心感を覚えました。
●古藤様
私も、いち外部ベンダーとしてではなくプロジェクトに携わるメンバーとして、一体化して取り組んでもらえたため、とても助かりました。IIJでは、お客様のご意見・ご要望をお聞きし、ニーズに寄り添ったソリューションをご提供することで、顧客満足度の向上を実現しています。そんなIIJのベクトルに合わせて、お客様視点で業務を遂行してくれたのがプライム・ブレインズさんでした。請け負ったところだけやればいい、というベンダーもまだまだ多い中で、共創できるITパートナーとしてタッグを組んでもらえたことに感謝しています。
●伊賀
当社では他の案件においても、お客様と同じベクトルでご要望+αを考えて取り組んでおり、私としては当たり前のことだと考えています。ただ、今後の世代がずっと同様のマインドでプロジェクトを遂行できるのかについては不安を覚えることもあります。
●古藤様
貴社との案件においては緊急な対応を要したり制度対応等で納期延伸が許されない案件もあったため「何が何でもやり切るほかない」といった、厳しい局面に直面することも多くありましたが、共に力をあわせて何とか乗り越え続けてきたことで結果的にスキル向上に繋がったという面もあります。
●伊賀
働き方改革が叫ばれる今の時代ですから、ホワイトな運営をしながら個人の能力を引き上げていくのは、難しいですよね。プライム・ブレインズの若手の中には、もっと業務を行いたい、それにより技術を高めたいという、モチベーションの高い人材もいるのですが、業務時間管理の観点では好きなだけやらせるわけにもいきません。
●古藤様
生産性を高めるといった選択肢しかありませんよね。
――更に強固なパートナーシップを築いていくために
●伊賀
プライム・ブレインズでは、戦略的に人員を配置転換する「ジョブローテーション」を実施しています。人材育成という目的もありますが、それぞれのお客様の案件の事情を知る人材を増やすことで不測の事態に備えることができ、最終的にはお客様のためになるという側面も多いと考えています。ところが、自社の案件に慣れた要員を異動させることを嫌うお客様が多いのが現状です。IIJ様はこの取り組みにご理解いただき、要員の配置に関してはプライム・ブレインズにほぼ一任していただけているので、とても助かっています。
●遠藤様
プライム・ブレインズさんの体制づくりに対する熱意があってのことだと思いますが、中堅・若手の皆さんが既に活動の中心になってきましたね。
――期待に応えてくれるから、おのずと要望が増えていく
●伊賀
ありがとうございます。10年超に亘り複数のプロジェクトでの協業を行っていますが、ここであえて厳しいご意見もいただけますでしょうか。
●遠藤様
お客様からいただいた要件をシステム化する上では、全面にバックアップしてもらえてとても助かっています。強いて申し上げるなら、若手の方がお客様からの要望に対する見積や計画を行う際に、もう少しリスクを意識してもらえると私としては助かるという点でしょうか。若手の皆さんは意欲的なので、「やります」「出来ます」とおっしゃるのですが、伊賀さんの様に制約事項やリスクについても併せて提示できる様になっていただけると更に助かります。
●古藤様
普通の発注サイドは若手にそこまで期待しないと思いますよ(笑)。ですが、私たちは他部署がやっていないアプリケーションサービスの提供に挑戦していて、自社リソースだけではなし得なかったことをプライム・ブレインズさんにご協力いただいて実現できたという思いがあります。だからこそ私たちと同じように、むしろ、私たちを上回る協力を求めてしまっているのでしょうね。
●伊賀
期待してくださっているからこそのご指摘、ありがとうございます。プライム・ブレインズには証券ビジネスの企画支援を行っているチームもありますので、今後については新規ビジネスを創発する局面でもご支援させていただきたいと考えています。
●古藤様
心強い限りです。IIJ Raptorサービスは15年の期間で徐々にビジネスとして確立でき、また、お客様からも社内でも評価されるアプリケーションサービスへと成長しました。今後、なお一層顧客満足度を高めていく上で、新サービスの創出やシステムの刷新など、新しい仕掛けが必要になってくると思います。プライム・ブレインズさんにはPoCの段階から参入してもらって、お互いの強みを活かしながらプロジェクトを遂行していきたいと考えています。IIJのノウハウだけではなく、プライム・ブレインズさんのお力添えもあってこそ成り立つものだと確信しています。
●伊賀
こちらこそよろしくお願いします。
●古藤様
最初は、証券取引チャネルを提供する方針だけ決まっていて、体制もベンダーも何も決まっていない状態からのスタートでした。当社にリソースが不足している中で、証券システムの有識者とベンダーコントロールが必要だと考え、外部のパートナーの力を借りることにしました。
●伊賀
最初は私ではなく、代表の五反田がプロジェクトに参画していましたよね。当初はどのようなことをプライム・ブレインズに期待されたのでしょうか。
●古藤様
特にお願いしたかったのが、IIJにはない技術要素の支援でした。証券に関する知識はもちろん、プロジェクトマネジメントから技術的アーキテクトの支援まで、トータルでやり切ってもらえる会社とタッグを組みたいと考えていたのです。初期の構想に対してプロジェクトの規模がかなり大きくなり、また、多くの技術的な課題も発生し、メンバー全員が悪戦苦闘している中で五反田さんが「適任者が確保できたのでとにかく参画させてください!」と伊賀さんを連れてきてくださったのを今でも覚えています。伊賀さんは豊富な知見をお持ちで、その時点の技術的課題を一通り解決した上で、プロジェクトを統括してくださいました。五反田さん、伊賀さんを筆頭にプライム・ブレインズさんは、技術のサポートだけでなく、課題解決に向けた取り組みを一丸となって進めてくださり、期待以上の結果となりました。